インドネシアの対外債務の話

2016年3月18日のインドネシア中銀の発表では、1月末時点の対外債務残高が3,080億ドル、前年同月比で、2.2 %の増加になったそうです。
部門毎に見ると下の様になります。
  公的部門が1,434億ドル=対外債務の46.6%、前年同月比5.7% 
  (12月時点の前年同月比は10.2%)
  民間部門が1,646億ドル=対外債務の53.4%、前年同月比▲0.7
  (12月時点の前年同月比は2.2%)
となっており、ザックリ言って、半分半分くらいの割合で、対外債務の残高は増えたものの、伸び率としては鈍化です。

そして、対外債務全体のうち、大半となる87.4%は長期債務で、その残高は2,691億ドル、 内訳は次の様です。
  公的部門が1,407億ドル(長期債務全体の52.3%)
  民間部門が1,284億ドル(長期債務全体の47.7%)
乱暴ですが、インドネシアの対外債務のほぼ、9割は長期債務で、公的部門と民間部門がザックリ言って、半分半分くらいの内訳だという事になります。

残りの対外債務、12.6%は、短期債務で389億ドル。内訳は
  公的部門が27億ドルで、短期債務全体の7%
  民間部門が362億ドルで、93%→1月の場合、76.2%は金融、製造、鉱業、電気・ガス・水道の4セクターが占めています。
なので、やはり乱暴ですが、対外債務残高の約1割が短期債務で、殆どが民間部門の金融、製造、鉱業、電気・ガス・水道の4セクターが占めているという事かと思います。

さて、対外債務と聞けば、アジア通貨危機を連想してしまうのですが、3月7日のインドネシア中銀発表の外貨準備高(2月29日時点)は1045億4400万ドルだそうです。この外貨準備高は、輸入と対外公的債務の支払いの7.3カ月分に相当し、国際的に安全とされる3カ月分を楽勝で超えているのだそうです。また、スワップ協定もありますので、経済成長の鈍化は鮮明になっていますが、アジア通貨危機の状況とは大きく異なると判断できます。特に公的部門の短期債務は小さいので、大きな影響を受けない限りはクライシスにはならないでしょうね。