タクシー運転手のデモ(オンライン・タクシーに反対) 続き

3月22日に暴徒と化したタクシー運転手らが所属する陸運運転手協会(PPAD)のデモもあり、運輸省は「Uber(ウーバー)」や「GrabCar(グラブカー)」などのスマートフォンを使った配車アプリ業者に、「すべての認可を取得するため5月末まで猶予期間を与え、すべての認可を取得できなかった場合、営業を禁止させる」と言う方針を発表しました。また、猶予期間中は、営業は認めるものの新規ドライバーの雇用などの業容拡大は認めない方針でもあるそうです。運輸省広報によれば、ウーバーやグラブカーは法人格を持つ協同組合の下で営業することを条件付けられており、この協同組合は公共交通機関の営業認可など計七つの認可を取得しなければ ならないとの事です。
この方針は、ルディアンタラ通信・情報相とイグナシウス・ジョナン運輸相 がアプリ規制策について協議し、当事者のタクシー事業者とアプリ業者も協議に参加させ、政府は関係者らが行った一連の協議の結果だと言う報道でした。 

シンガポールに本社が所在するグラブカーのインドネシア担当専務、リズキ・クラマディブラタ氏は、 インドネシア政府に与えられた猶予期間を尊重、順守することを約束するとしており、現在、協同組合がインドネシア政府が決定した条件をすべて達成できるよう支援を行っているそうです。

が、しかし、バリ州および西ジャワ州バンドン市の地方政府は、ウーバーとグラブカーの営業禁止を決定しました。 バリ州の運輸・情報・通信局長、クトゥット・アルティカ氏によれば、バリ州はタクシー運転手からの要請と地方代表議会議員との協議により、配車アプリの禁止を決定、同時に通信・情報省に対してはバリでの配車アプリの通信遮断を要請しているそうです。バンドン市では、リドワン・カミル市長によると、配車アプリの合法性が明確になるまでは容認しない立場だそうで、中央レベルでの配車アプリの遮断について判断中の通信・情報省の決定に従う言う事です。

インドネシアらしい報道です。
インドネシアらしいと言うのは、やはり、多民族国家であり、中央政府と地方政府が一枚岩ではないと言う事で、我々、外国人を悩ませるイミグレーションの規定も例えば、ジャカルタと東ジャワで解釈が異なっていたりして、ジャカルタでOKでもスラバヤではNGと判断される事もあります。実際に、津波被害で有名となったアチェなどはインドネシア独立戦争時にはスカルノに同調するのか、独自に独立すべきか議論になっていた経緯もあり、インドネシアへの所属意識は低い様です。初代大統領となったスカルノらは、その様な状況をよく理解していたからこそ、パンチャシラと言う国是を掲げたのでしょう。国章のガルーダ・パンチャシラの下には「多様性の中の統一」と書かれており、逆に言えば、多様な文化や価値観を受け容れないと国家が分裂してしまうと言う事になります。実際に、東ティムールは独立してしまいました。この辺りの感覚は、1億人以上をも抱える日本人でさえも分かりづらい感覚ではないかと思います。

そう言えば、最近やった失敗。パキスタンからの客人と昼食を摂ったのですが、勝手に私自身がムスリムだけだと思い込んで、牛肉をガシガシ食べていたのですが、一人だけヒンドゥー教徒のお客様がおられました。聞けば、少数ながらもパキスタンもヒンドゥやクリスチャンがいるそうで、確かによく考えると、インドに近いのだから当然です。慌てて、ヒンドゥー聖典、ギーターの話で誤魔化しました。ヤバかったです。インドでは牛肉の喰う、喰わないで殺人まで発生していますし。