インドネシア、自動車市場の将来?

先月末、調査会社であるイプソス・ビジネス・コンサルティングは2020年のインドネシアの乗用車販売の予測として、102万台に達するとの予想を発表したそうです。 昨年、2015年の乗用車販売台数は73.7万台でしたが・・・その根拠は次の様なものです。

 
消費者の増加と都市化の流れに伴い、乗用車の消費が伸びる。
生産年齢人口の増加にて 需要拡大となる。
20年まで乗用車販売は年率で6.8%拡大
 
その結果、2020年のインドネシアでの乗用車販売台数は次の様になるとしています。
MPV=49万2000台
低価格エコカー(LCGC) =24万4000台
SUV=18万5000台
セダン=1万6000台
残りがその他の乗用車。
LCGCは、伸び率が年率8.1%と最も高い訳ですね。
 
MPV、最もインドネシア市場にマッチングしていると思います。販売台数が物語っていますね。TOYOTAのKIJANGはインドネシアの自動車文化を創ったと言っても過言ではありません。ダイハツのXENIAはそれを安くして、門戸を開き市場を開拓すると言う、偉業を遂げました。今や、スイフトがベースと言う素性が素晴らしいスズキのエルティガやエレガントなデザインで惹きつけるホンダのモビリオと三つ巴の戦いが繰り広げられています。SUVでは、パジェロやフォーチュナ、CRVは憧れの車です。そして、政府が主導して(遅れに遅れましたが)、Low Cost Green Carが生まれました。
 
ケチを付ける訳ではないのですが、少し、私が個人的に注意が必要かなと感じる部分を記すと次の様になります。
よく冗談で、インドネシア人は傲慢だよね!と言うのですが、実際に見栄っ張りなところがあり、インドネシアではステータスで乗っている人が相対的に多いと感じます。よって、私個人としては、インドネシア人の皆さんはLow Cost  Green Carに魅力を感じないのでは?と感じます。また、カーメーカーも昨年にLCGCを値上げした事から考えれば、薄利である事が伺えますので、積極的には売らないのではないかと思います。何しろ、50万円ほど追加すれば、スタンダードとも言えるMPVが買えますので、私がディーラーなら、上手く言ってMPVを提案すると思います。なので、LCGCは8.1%も伸びず、代わりにMPVやSUVではないかと思います。LCGCはジャカルタの様な大渋滞都市ではスピードは不要ですし、小回りが利いて使いやすい筈ですが。
 
カテゴリー別内訳は別として、(何もなければ)近い将来に100万台に到達するでしょうし、100万台を超えたなら、そのインパクトは大きく、インドネシア・ウォッチャーとしては感慨深いものがありますので、見守り続けたいと思います。