インドネシア、省庁予算を4100億円削減

インドネシアの経済成長の減速が語られて久しいですが、税収も不足しており、財政赤字が拡大する懸念から、12日付ジョコ大統領の大統領指令(16年第4号)によって、インドネシア政府は2016年度予算の内、省庁の予算を50兆0160億ルピア(約4100億円)削減すると決定しました。

報道によれば、省庁予算の削減は出張や会議、サービス利用、報奨、公告、建物の建設、自動車購入などの業務費用を節約することで実現と、言うことです。

省庁別で大きな減額は次の様です。
  公共事業・国民住宅省 8兆4950億Rp
  教育・文化省  6兆5230億Rp
  農業省 3兆9230億Rp
  運輸省 3兆7500億Rp
  海洋・水産省 2兆8900億Rp
  研究・ 技術・高等教育省 1兆9530億Rp
  社会省 1兆5820億Rp
  国家警察 1兆5600億Rp
  財務省 1兆4670億Rp
  宗教省 1兆3990億Rp
  内務省 1兆3850億Rp 
などです。

公共事業など、そのものではなく、出張や会議費とかが減るのだとは言え、無駄遣いであっても減少すると言うのなら市中に回るお金が減るので、減速感が増す様な気がします。乱暴ですが、景気って言うものは、お金がグルグル回るかどうかだとも言えますので。かと言って、税収が少なく、無い袖は振れないと言う事でしょうね。ところで、お役人様がそんなケチケチをするのかな?現場では、実際としてはどの様にするのか、一定の少しブラックな興味があります。

更に不安にさせる様な報道があります。
中央銀行のデータによると、銀行業界の不良債権比率は2015年12月の2.5%から16年1月には2.7%、2月は2.9%と上昇しています。でも、安全水準は5%との事ですから、まだ安全圏だそうです。
国営のマンディリ銀行の頭取によれば、商品価格の下落が続くなど世界的に景気回復が遅れているため、不良債権比率の上昇は自然なのだそうです。そりゃ、そうですね。どこかで歯止めが掛かれば良いですが。

IMFインドネシア経済の成長を阻害する要因として、世界的な不況の影響を指摘しているのですが、やはり気になるのは中国です。何と言っても主要な貿易相手国ですし、投資も必死で呼び込んでいますので。しかし、中国の民間投資が今年に入ってから急減速しているとの報道もあります。即ち、中国の国家統計局がの発表では、「民間固定資産投資」は2015年通年で前年比10.1%増でしたが、今年1〜4月は前年同期比5.2%増と大きく減速しました。中国政府は多く語られている様に、過剰な生産設備投資の削減を進める方針で、赤字でも無理矢理存続しているゾンビ企業の整理などを行う様ですが、これによって国有企業を中心に失業者が発生=投資が急減速している民間が雇用吸収出来ないとなれば、どうなるでしょうね。李克強も信じないと言う中国の統計でこれですから、実態はもっと悲惨な状況かもしれません。そろそろ、終わりが始まる? いやいや、終わったら、インドネシア経済が困るでしょう。いや、世界が困るか? そうなれば、真面目な話、遠くない将来で軍事衝突が起きるかも知れず、それが一番心配です。

それはさて置き、インドネシア経済は、まだまだ予断を許さない状況なのでしょう。