明暗が分かれたインドネシアの2016年4輪と2輪の販売結果

GAIKINDO=インドネシア自動車協会は出荷ベースでの2016年の自動車販売台数速報を発表、販売目標の105万台に対し、合計1,052,540台、前年比で+3.9%でした。2016年12月の販売台数はまだ速報値なので、2016年全体の確定値も不明ではありますが、このくらいで、全体では大きな変動はないと思います。また、前年比での増加は3年ぶりだそうです。

報道によるこの良好な結果の分析は、経済成長率や為替などのマクロ経済指標が安
定的に推移したことが回復に寄与したと言う事です。

そして、GAIKINDOは今年、2017年の販売目標を110万台と設定しており、今年よりも5万台、5%程度増えるとみている様ですね。
2016年12月の販売台数速報値は77,568台、前月比で▲22.5%%ですが、昨年の12月と比較すれば、+5.9%ですので、まずまず良好です。前月比でマイナスとなったのは、年末の長期休暇の影響を受けた結果です。

何より、良い印象を持てるのは、2016年の中で、1~6月の上半期では、前年の同期間と比べて+1.3%(532,130台)の販売しかなかったものの、7~12月の下半期では、+6.7%(520,410台)の販売となっていますので、下半期からグッと販売が伸びる傾向になっていると言う事です!

 

各自動車メーカーのコメントを総合すると、乗用車で新型が投入された事で消費者の購買意欲が刺激されたり、自動車ローンの頭金規制緩和金利低下も消費者の購入意欲を後押ししたと言う事です。これ以外にも、マクロ経済指標が安定的に推移したことや、税収拡大策の「租税恩赦」などの政策が成果を上げたので、市場に信頼感が戻ったと言う理由も聞かれますが、私個人的には、これはすんなりと合意できません。

また、商用やトラックについては、下半期以降で販売は徐々に回復傾向にあり、昨年末に向けて商品価格や鉱物価格の回復が進んだため、今年もこの傾向で回復するとみているようです。

 

一方で、2輪市場は良くありません。AISI=インドネシア二輪車協会から確定値のデータが発表されており、AISI加盟5社の国内販売と輸出の合計台数は、6,215,350台、前年と比べて▲7.3%でした。2010年以降で最低記録となった2015年のをさらに下回る水準です。AISIでは、今年、2017年も前年並みとなると予想しています。

この販売減の理由は経済成長の減速に伴い、消費者購買力が低下したことが大きかったと説明しているのですが、4輪と全く異なる雰囲気ですね。つまり購買層が異なるのかと。

但し、報道によれば、AISIの会長グナディ・シンドゥウィナタ氏は2017年の販売予測は前年並みであるが、経済状況が改善すれば620万~625万台も可能だコメントしています。

確定値があるので各社の2016年販売実績値を紹介しますと、

 ホンダ =4,440,199台 前年比▲0.9%

 ヤマハ =1,561,334台 前年比▲19.9%

 カワサキ=  104,914台 前年比▲15.4%

 スズキ =   85,308台 前年比▲37%

 TVS =   23,585台 前年比+24.5% このインド系メーカー1社だけが販売増!

ホンダが圧倒的に強いですが、そのホンダでさえ、前年割れです。今年はどうなるのか?ですが、昨日の記事も参考にして下さい。