インドネシア、2016年第1四半期の大・中製造業成長率は目標未達

報道によりますと、中央統計局の発表で、産業省が目標とする前年同期比で5〜6%とする製造業成長率は第1四半期では4.08%だったそうです。産業省によれば、政府の規制緩和に伴う成長加速を期待していたが実現しなかったそうで、第2四半期には5%を目指すそうです。これは例年、イスラム断食月の前には飲食品やオートモーティブ関係の売り上げが拡大傾向となる事によるものですが・・・何か違う気がししますが、きっと、気のせいです。

似た様な報道で、裾野が広い自動車産業の報道です。インドネシア自動車協会、ヨンキー・スギアル ト副会長が、国内の4月自動車販売台数(出荷ベース)は速報値で約86千台(3月の93,990台、約8%減)になりそうと語ったと言うものがあります。昨年4月の81.6千台は上回そうですが・・・先日に書いたインドネシア国際モーターショーで販売が増えているはずですから、これが無かったら、前年同月比で上回っていたかは分かりません。ただ、来月から断食が始まり7月初には断食明け大祭になるので、例年通りなら販売は伸びるでしょう。これはヨンキー副会長もコメントしており、販売が10%ほど増加すると予想しているそうです。また、2016年の通年販売予想=105万台(前年比+3.6%)は依然として達成可能とも言っているそうで、低調ではあるものの、ゆっくりと回復の傾向という事でしょうか?何もなければ、と言う前提だと思いますが。

こんな状況で、何か閉塞感を持ってしまうのですが、インドネシア政府も手を拱いているだけではなく、やはり昨日のニュースでは、特定業種・地域の投資に対する所得税優遇措置(タックスアローア ンス)に関する規定を改正して、雇用や民間消費への影響力が大きい労働集約型産業(衣料・履物など)を対象に加えたそうです。つまり、労働集約型産業の企業のキャッシュフローを支援すると言う事だそうで、タックスアローアンスでは次の優遇措置が取られます。
  投資額の30%(年5% × 6年間)を純所得から控除
  減価償却・ 減耗償却期間の短縮
  非居住者に対する配当の所得税率引き下げ
  欠損金繰り延べ期間の延長
これは企業にとっては嬉しい措置ですね。ただでさえ、労務費の上昇の影響をモロに受ける労働集約型産業ですから。また、労働集約型産業の企業が閉鎖してしまえば、一度に大量の失業が生まれてしまいます。

また、政府は投資を呼び込む様な施策も考えている様で、ジョコ大統領がプラモノ・アヌン内閣官房長官に、 政府が2015年9月〜2016年4月に発表した12の経済政策パッケージを検証する様に指示したと言う報道もあります。 ジョコ大統領は政策パッケージにて、世界銀行のビジネス環境ランキングでインドネシアの順位を40位(16年版では109位)へ押し上げたいのだそうです。

歓迎しますが、他にもして欲しい事は山ほどあるのですが。投資しても、外国人はカネがあるから、カネ出せや!的な施策とかそんな意見の人達が多・・・おっと、失礼。インドネシアが嫌いなら来んなや、インドネシアに投資したがっている外国は幾らでもあるんやでと、大統領戦では両陣営とも、この部分では一致してましたから、そんな事を言う訳には参りません。ただ、それは、確かに今は必要なんですが、別の側面から見れば、自ら進んで刈り取り場になると言う部分もあるのではないの?と思ってしまうのは、私が無知だからでしょうか?間違っていないなら、強かなハゲタカ達の餌食にならない様に、慎重にやって欲しいと思います。

ただ、一つだけいつも思うのは、本当にインドネシアの将来、百年の計を考えて欲しいと思います。確かに、良い国であるのには違いありませんから。インドネシアは本当に豊かで強い国であるはずなんです。